歌いながらウクレレを弾く方法
歌い始めた途端に、ストロークが止まってしまいませんか。1行ずつループしながら、歌と演奏を同時にこなせるようになるまでの手順を紹介します。
- ストロークを自動運転にする
- ハミング、話す、歌うの3段階
- うまくいく1曲目を選ぶ
- 1行ループから積み上げる
ストロークがやっとなめらかになってきました。手はきちんと刻み続けているし、コードも考えずに切り替わっていて、なかなかいい感じに聞こえます。そこで歌おうと口を開いた瞬間、全部が崩れます。ストロークはつっかえ、歌詞は遅れて出てきて、気づけばどちらもまともにできなくなっています。
私もまさにその壁にぶつかって、自分の手を見つめながら「どうして急に動き方を忘れたんだろう」と考えていました。足りないのは才能ではありません。正しい順番で一つずつ積み上げていけば、必ず身につくコツです。さっそく見ていきましょう。
最初はどうして無理に感じるのか
弾きながら歌うというのは、脳に2つのリズムを同時に走らせてくれと頼むようなものです。ストロークの手は拍をほしがり、声はメロディをほしがって、同じひとつの注意力を奪い合います。
運転しながら会話するのに似ています。運転を覚えたてのころは、話しながらハンドルを握るなんて考えられませんでした。それが今は、何も考えずにおしゃべりできます。ハンドル操作のほうが勝手に走ってくれるからです。弾き語りもまったく同じ仕掛けです。片方を自動運転にしてから、その上にもう片方を重ねる。種明かしは、本当にこれだけです。
ステップ1:ストロークを自動運転にする
まず何より、1音も歌わないうちに、ストロークの手が自分だけで回るようになっている必要があります。まだ手元を見ていたり、次のコードチェンジを考えていたりするなら、声に回せる余力は残っていません。
簡単なパターンを1つ選んで、飽きるまでストロークしてみてください。手元から目を離します。テレビを見ながらやってみます。できるなら空いているほうの手でお茶をいれてみてもいいです。目指すのは、まったく意識を向けていないときでもストロークが刻み続けている状態です。
手が楽に繰り返せるように、2つのコードを行き来する形で試してみましょう。
まずは一定のダウンストロークから始めて、そこから広げていきます。
ステップ2:ストロークしながらメロディをハミングする
ここでメロディを足します。ただし、まだ歌詞は乗せません。ハミングだけです。
ハミングなら、歌詞を組み立てるという余計な仕事を抱えずに、メロディとタイミングだけを運べます。声とストロークが初めて顔を合わせる場としては、これくらいやさしいほうがちょうどいいのです。ハミングを始めたとたんにストロークがぐらつくなら、それはステップ1にもう少し戻る合図です。恥ずかしがることはありません。みんなが通ってきた道です。
ここでもコードは簡単なままにしておきます。ハミングを乗せる土台としては、これくらいで十分です。
ステップ3:歌詞をリズムに乗せて話す
ここが、いちばん多くの人が飛ばしてしまうステップです。そして私の考えでは、すべての鍵を開けてくれるのがこのステップです。
歌う前に、ストロークに合わせて歌詞を声に出して言ってみます。メロディはいっさいつけません。歌詞のリズムが拍の上に着地する感覚だけをつかみます。こうすると、音程という厄介ごとを抱え込まないまま、口と手の呼吸を合わせられます。
1行ずつ進めます。ストロークして、その1行をリズムに乗せて話して、また繰り返す。歌詞が拍の上に無理なく収まってしまえば、そこから実際に歌うのは大きな跳躍ではなく、ほんの小さな一歩になります。
ステップ4:合う曲を選ぶ
弾き語りの1曲目は、思っている以上に結果を左右します。勝てるようにお膳立てしておきましょう。
見るポイントは2つあります。考えなくても続けられる簡単なストロークであること。そして歌詞が拍の周りをふわふわ漂うのではなく、拍の上にきちんと乗ってくれること。シンコペーション(=歌詞が拍のちょうど上ではなく、拍と拍のあいだに落ちること)が多い曲は、この段階では悪夢でしかないので、後回しにしておきます。
すでに完全に覚えている曲を選んでください。ウクレレに手を伸ばす前から、メロディが頭の中で鳴っている状態になります。たとえば「You Are My Sunshine」は理想的です。コードは3つ、誰もが知っているメロディ、そして拍の上にきれいに乗る歌詞がそろっています。
最初の挑戦には、昔ながらの3コード曲がぴったりです。
ステップ5:思いきり遅くして、1行だけループする
今のところスピードは敵なので、テンポを半分まで落とします。必要ならもっと遅くしてかまいませんし、それを恥ずかしがることもありません。
曲の中から1行だけ取り出して、ループします。ストロークして、その1行を歌って、そのまま戻ってもう一度。その1行が楽になるまで、次には進みません。楽になったら次の行を足して、2行をつなげてループします。
ここではUkuTabsのメトロノームがいちばんの味方になります。遅めに設定して、ストロークをそこに固定し、その1行が力まずに弾けるようになってから初めてテンポを上げます。数クリックずつ上げていくのが、全体を崩さずに本物のスピードを手に入れるやり方です。
ステップ6:もとのスピードまで戻していく
遅いテンポで1行が楽になったら、メトロノームを1段上げます。そしてもう1段。ループした行を積み重ねていって、1番をまるごと、最後には曲全体を通せるようにします。
あるスピードで崩れてしまっても、それは失敗ではありません。数クリック戻して、そこにもう少し長くとどまりなさいという合図なだけです。上達は決してまっすぐな線にはなりませんし、それがごく普通のことです。習うより慣れよ、です!
効きめの大きい、いくつかのコツ
- 隅から隅まで知っている曲を選びます。メロディがすでに頭の中にあれば、脳が同時に抱える仕事が1つ減ります。よければ1週間、シャワーを浴びながらハミングしておくのもいいと思います。
- メトロノームを使います。注意が歌のほうへ流れていくあいだも、ストロークをごまかさずに保ってくれます。
- 自分の演奏を録音します。スマートフォンで十分です。聞き返すと、ストロークがつまずく場所やタイミングがずれる場所がはっきりわかります。弾いている最中にはまず聞き取れない部分です。最初の1回は居心地が悪いのですが、2回目からは不思議なくらい役に立ちます。
- コードは簡単なままにしておきます。あるコードチェンジに集中力を全部持っていかれているなら、歌のパートを覚えるあいだだけ押さえやすい形に置き換えておいて、あとからもとのコードに戻します。
手が勝手に動く日は、ちゃんと来ます
初めてかみ合った瞬間、手がストロークを刻み続けたまま歌詞が勝手に出てくるあの感じは、ウクレレを弾いていていちばん気持ちのいい瞬間のひとつです。魔法のように思えますが、実際はここまでのステップを焦らずやっただけのことです。この件に関しては、焦らないやり方がいちばんの近道だと思ってください。
自分に厳しくしすぎず、ゆっくり進めてください。ストロークを自動運転にして、ハミングして、話して、それから歌う。1行ずつループしていけば、ある日ふっとかみ合います。
このガイドが、弾きながら歌えるようになるきっかけになっていればうれしいです。練習を続けて、ぜひ楽しんでください。弾き語りについてもっと知りたいことがあれば、いつでもお問い合わせください。うまくいくことを願っています。
ストロークを固めてから、歌える1曲へ
声を足す前にリズムのほうを確実にしておきたい方は、次に初心者向けのストロークパターンに取り組んでみてください。そのあとで簡単なウクレレ曲の一覧から、初めての弾き語りの1曲を探しに行きましょう。